しゅうへい

ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦 フリーザに挑んだZ戦士孫悟空の父のしゅうへいのレビュー・感想・評価

4.0
全宇宙一の戦闘民族サイヤ人の住む惑星ベジータで一人の男の子が産声をあげた。その名はカカロット、後に孫悟空となる男の子である。同じその頃、カカロットの父である戦士バーダックの一味は侵略先のカナッサ星を一夜にして攻め滅ぼしたのだが…。

孫悟空たちが活躍するよりも前の話を描いた、シリーズ初のスピンオフストーリー。原作者である鳥山明は本作について、アニメで印象に残っているエピソードで、劇場版・TVスペシャルの中で一番好きな作品と答えている。

アニオリにも関わらず、ファンに強烈な印象を叩き込んだ傑作。一最下級戦士によるサイヤ人の誇りを賭けた戦い。孫悟空のルーツであるバーダックの登場、サイヤ人とフリーザ軍の因果関係が描かれている惑星ベジータ消滅までの物語。

悟空と容姿が瓜二つでも中身は純粋な戦闘民族である彼の暴力的な性格やダーティな戦い方が魅力。フリーザ軍の圧倒的な戦力、絶望的な局面で単身特攻を仕掛け散るバーダックの儚さは必見。物語を遠目で見ればバーダックは善人ではなく根っからの悪人であり、エリートと肩を並べる下級戦士(名前付きモブ)に過ぎない存在というのがポイント。

本作の極め付けは挿入曲「ソリッドステート・スカウター」の存在。YMO「SOLID STATE SURVIVOR」のオマージュらしいけどまた別の曲…?
しゅうへい

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