『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』(2024)
「地球がくそヤバい!」
■3年前の8月31日。東京の空に突如巨大母艦が出現し、この世は終わるかに思えた。しかし、母艦が浮かぶ東京の空は日常に溶けこんでいった。そんな東京に住む女子高校生の小山門出と中川凰蘭は、受験勉強に追われながら、毎晩オンラインゲームを楽しんでいた。
■第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞に輝いた浅野いにおの同名漫画を、全2章でアニメーション化した前章。宇宙から来た巨大母艦が空に浮かぶ東京で、受験勉強に追われながら趣味に興じる女子高校生の日常を描く。
「SF×青春=デデデデ」
『第9地区』『インデペンデンス・デイ』を彷彿とさせる都心上空を覆い隠す巨大な母艦。時折自衛隊と侵略者との戦闘が行われることが日常となった東京。震災やコロナ禍を彷彿とさせる現代日本。それは何の前触れもなく唐突に訪れ、日常を豹変させる。死と隣り合わせの状況下でも“慣れ”とは恐ろしいもので、いつの間にかそれに適応できてしまう人類。
女子高生の閉塞感・友情・淡い恋・いじめ。偏見に陰謀論、ヒステリックな人々の描き方も上手かった。どれもイメージ通りというだけで実際は知らないけど…。浅野いにおの個人的なイメージは、緻密でゆるカワな作画と巧緻に練られたストーリー。瑞々しさ・生々しさ・陰湿さ・胸糞悪さが混在する世界を想像する。今作は伏線だらけで考察必須、困惑すれど観る人を選ばず、割と万人受けに仕上がっていた。なんか生意気ですいません!
「私にとっておんたんは『絶対』なんです」
「はにゃにゃフワ~~~ッ」
かどで役の幾田りら、おんたん役のあの。今をときめく旬の二人を声優に起用したのは大正解で大成功。自然で違和感が無い上に、声質やキャラとの相性がドンピシャ!大好きな二人をより好きになれた作品。今作の主題歌、ano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」でトドメを刺されました。あのちゃんの声がリボーンそっくり!
「デデデデストラクショーーン」
「デデデデシクレイショーーン」
映画館でアニメを観るのは鳥山明作品を除けばほぼなし。新鮮な気持ち。浅野いにお作品は『うみべの女の子』(2021)以来。精神を擦り減らす覚悟で原作3巻まで読了、割とマイルドな世界観の把握◎。正直、今期の優先順位を考えればサブスク待ち…かと思いつつも、運良く観られて良かった。
終電逃した友人達と新宿バルト9へGOタクシー。10分前に滑り込みで深夜鑑賞。居酒屋とカラオケでのお酒を抜ききった後、珍しくポップコーンをお供に万全の状態。皆一晩だけ学生に復帰し、翌朝には社会へ帰りました…。続編が待ち遠しい!後章次第で評価が変動します!