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イ・チャンドン アイロニーの芸術の大大のレビュー・感想・評価

3.9
代表作『ペパーミントキャンディー』のように、現在から過去へと進む形で、作品を振り返っていく。

小説家時代、少年時代にまでも遡りながら、各時代の韓国の社会の雰囲気や、後の映画に色濃く影響を及ぼした、家族関係や体験が明らかになっていく。


▼ペパーミントキャンディーの鉄橋シーンの場所が映画の空気そのままで残ってるのがすごい


▼ロケ場所で使った場所の、実際のバックグラウンドや時代背景までもシナリオに落とし込んでいる場合があるのがよくわかる


▼『オアシス』の登場人物のモデルが、障がいをかかえる姉であったことの衝撃

脳性麻痺を抱える人がどんな動きや表情をするのか知り尽くしているからこそ、女優のムンソリに稽古の過程を撮って見せてほしいと頼んだのだろうし、

周囲の冷遇に構わず姉を連れて外出に連れ出していた体験は、まさに『オアシス』主人公に自分を投影いるし、誰にも理解されない姉の内面を誰よりも近くで目撃したからこそ描けた作品だったんだなぁと痛感。


▼イ・チャンドン著の短編小説集の日本語訳が最近出版された衝撃

読む!!!
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