そこそこ面白かったけど…
前作の『パラドクス』はかなりアイデアが面白かったので、
それと比べるとちょっと見劣りする…。
「魔女」という、競合の多いホラーテーマで、
『ウィッチ』や『サスペリア』なんかとどうしても比べてしまう。
だけど、おばあちゃんのキャラはそこそこよかった。
あるマンションで子供だけが病に冒されるという症状が相次ぎ、
病気のルナを治すために、祖母ホセファのもとへ。
ホセファの家では隣人のアビゲイルがある村にまつわる三人姉妹の話をしてくれる。
魔女に呪いをかけられた妹を助けるために魔女に助けを求める姉妹の話を…。
その話を聞いた後、ルナの姉・ナラは祖母ホセファが実際に魔女ではないのかと疑い始める…
よかったのが包帯まみれになっていく老婆が
ユニバーサルホラー映画『ミイラ男』みたいになっていくところもいいし、
「バッカ」というダチョウの卵にネズミの血をかけて生まれる謎の魔獣もいい。
ただそういう要素は、ただの「素材のよさ」ってだけであって、何か爆発力の足りなさはヒシヒシと感じる。
この監督はどこかで「どんでん返し」的な要素があって、
その逆転する瞬間がとても気持ち良かったりする。
『パラドクス』は中盤あたりにそれがあって、「もうそろそろかな」くらいに思ってたら、
最後の最後にやっぱり来ましたね。
しかも、あのラストシーン…。
殺すでも食いつくでもなく、「説教する」って笑
ーーここからネタバレ感想ですーー
ーー未読の方はご注意くださいーー
病気のルナを治療するために「バッカ」を生ませにいった父母は、
魔術に成功してルナを助けることに成功していたが、
それを終えて祖母宅に帰ると、
祖母ホセファはルナの足首から生き血を吸い若返りつつあることを包帯で隠していた。
ルナの足首の傷を見て、祖母の若返りを知った母は、
ホセファにもの申しにいったが、殴られ返り討ちにあってしまう。
祖母はだいだい生まれた子供の生き血を吸って若返っていた「魔女に弟子入りした三姉妹のうちの一人」だった。
若返ったホセファの姿は母の姿とそっくり。
ナラは彼女たちの入れ替わりに気づかず、祖母の衣装を着せられた母を誤って殺してしまう。
最後、ナラの病気は奇跡的に完治するが、
自宅の倉庫で箱に入れられた「バッカ」を見てしまい、
母の皮を脱いだホセファに助言されてしまうのだった…。