面白い。
出だしが最高。
主人公のハン・サンフンは、酔って帰った日、部屋の窓から殺人現場を目撃してしまう。
犯人が顔を上げようとした瞬間、妻が部屋の電気をつけてしまい、
その瞬間犯人と目が合ってしまう…。
このときの恐怖がすごくて、、、
最初のガソリンスタンドでトランクに女が詰められてるシーンや
エレベーターで会った女性に「今、悲鳴が聞こえませんでした?」など
恐怖を煽るテクニックを使ってくる。
それから犬がいなくなったり、
エレベーターの女性が「あなた見ましたよね?犯人の顔…」と聞いてくるなど
本当にこういうサスペンス系の脚本は韓国映画は強いですね。
終わりにかけての怒涛の展開も素晴らしかったです。
ただ、いくら自分の家族に被害を及ばせないためとはいえ、
「マンションの地価が下がるから」と言って
あそこまで犯人のことを黙っている理由はないと思いましたし、
本来なら黙っていたところで犯人が生かしておく理由などどこにもないはずです。
襲われてマンションを逃げる妻も、「さっさと叫べよ」と急に冷静になってしまう自分がいました。
最後はなぜかデスゲーム顔負けの犯人vsサンフンのデスマッチが行われるわけですが、
犯人の肉を食いちぎったり、木をひっこぬいて殴ったりと、少年漫画のような戦闘シーンが新鮮。
そして全てを洗い流すノアの洪水から、土中から蘇るゴーレムのような復活、全ての悪行を晒された死屍累々たるガイコツの山まで演出過剰な部分が面白かったです。
後、最後に「なぜ犯人はあんな大勢の人間を殺したのでしょうか?」で、
「理由なんてないんですよ」は賛否が分かれそう。
確かに、理由ない方がサイコパスっぽさもあったけど、個人的には深掘りしてほしかった。
ラストに主人公が「助けてください」と叫んだとき、
ああ、監督はこういう人と人との関心のなさ、非協力的な部分の闇を描きたかったんだなと主旨を理解した気がしました。