アキヒロ

ドアロックのアキヒロのレビュー・感想・評価

ドアロック(2018年製作の映画)
3.9
面白かった。
よく知る有名な俳優はいなくてあまり花はないけど、
シナリオがとても良かった。

ある日、ドアロックに白い粉がついていたのを不審に思い、
ロックナンバーを変更した夜、何者かが部屋の中に侵入しようとし、驚く。

誰もが想像するベッドの下に何者かがいるという恐怖、
夜、後を尾行されているじゃないかという疑念、
そういったありふれた日常のぞっとする感覚をくすぐってくるのが上手い。

また、映像内にいくつかのトリックが仕掛けられていて、
例えば最初、主人公のギョンミンは男物の下着の洗濯物を干し、
玄関にも男物の靴があるため、
見ている人間は朝、ギョンミンと添い寝している男がギョンミンの彼氏か何かだと思う。
しかしこれが、見ているうちに実はミスリードであることを知る…という点。

また、ギョンミンは銀行に勤めており、その中でストーカーらしき男に付き纏われるのだが…
夜道でその男に絡まれたとき、絶妙のタイミングでギョンミンに想いを寄せているというイケメン課長に遭遇。
この時点で、この課長を疑ってしまうわけだが、その課長は早々に物語から退場してしまう…
こういう仕掛けにことごとく翻弄される102分、
ミステリーとしても非常に厚いものを見せられ満足度が高い。

犯人自体も誘拐した女性の足を切断して監禁するという、
この上もなく邪悪な部分が背筋が凍りつきましたし、
正直マイナス点らしいマイナス点が思いつきませんでした。

バイオホラーやコズミックホラーのような壮大さはありませんが、
コンパクトなホームホラーとしてはとても出来がいい作品だと思います。
アキヒロ

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