方眼

ザ・クリエイター/創造者の方眼のレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.9
2023年”The Creator”。高度に発達したAIと人間が競合する世界。冒頭、ニュース映像でロスでの大爆発、アメリカ国によるAI排除、ニューアジア(チャイナ周辺国らしい)でのAI存続が語られる。設定とプロットは目新しくないが悪くはない。タイ、カンボジア、ベトナム、チベットなどのアジア風景に、ロボットとメカ飛行物のビジュアルは良い。ロケ風景を後処理したのはさすがILM。ギャレス監督は上下の絵作りが上手く、何をどこから見るかの画面設計が効果的。”ノマド”という攻撃基地のレーザー照射、ミサイル発射プロセス、脱出ポッドもいい感じ。くっ付く爆弾を撃つ銃、自爆ロボのシークエンスは見せ場。しかしながら。大きな話にしてはシナリオが散発的、回想で謎解きしていくのも悪手。謎な音楽使い(ボサノバ、ハードロック、クラシック)、場面がジャンプする割に過去説明場面が入る妙な編集リズムと、この物語と演出手法が合ってないんじゃないか。ゴジラやS.Wシリーズと違って単発作品なら、世界観をじっくり見せる流れが必要と思う。中盤もっとロードムービーにしてクライマックスまで溜めるとか。ハンス・ジマーも音楽あてながら困ってたのか、かなりウェットに振っている。
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