このレビューはネタバレを含みます
AR上の情報としての人物と死んだ父親が、同じ概念として提示される瞬間があり、そこがとても響いた。
データとして残された概念や情報としての存在を思うことは、上手くいけば本来は死への弔いと同じような行為となる筈。
ただし、現実はそうではない。
徹底的にその存在を自分の中に閉じ込め、アイドル化して、自分の中に都合の良い存在を作り上げていく。
完全に閉じた世界になっている。
最後で現実の関係を構築するオチもとても良かったのだが、、
まあ普通そっちに展開するよなと思いながらも、
このテーマなら(上手く説明は出来ないが、、)落とし所はヒューマニズムより、鯨の骨のように残された情報やデータの世界への弔い的な関係性の構築を徹底的に掘ってみて欲しかったなと、完全に今の自分の興味からそう思ってしまった。