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青春のryoのレビュー・感想・評価

青春(2023年製作の映画)
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仕事、恋愛、家族、友人、、、
まさに生活を感じたし、彼らをいつまでもみていられるなと思った程とにかく面白い。

そこにある生活は、都市のビジネスマンが失くしたある種の豊かさを含んでいるように感じた。今の中国からももう失われているのかもしれないが。
ただ、もし自分がここに居たらと考えると、工場に埋め込まれていると感じるだろうなと思った。その時点でもう既にドライでも『自由な』都市の生活にどっぷりと浸かっているのだと思わされた。

あの若者たちの生活としての仕事。
仲間と連む様。
時折、みせる何か寂しげに何かを思う目の表情。

『出稼ぎ労働者』という言葉を聞く時にいかに自分が上から目線でいたか。世界との繋がりをモノで繋がり合う社会として抽象化し過ぎていたか痛感した。

また、ドキュメンタリーとして群像的に生活を徹底して映すこと。
これが編集を通して、観る人それぞれの中の人生や生活と結びついていき、こんなにも豊かな感覚をもたらしてくれる。
この体験は自分にとってはかなりの衝撃だし、とてつもなく凄い映画だと思った。

カメラを決して意識していない訳ではないのだろうなという部分が多く垣間見えるのもとても人間を感じる。
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