心の動きをそのまま撮ろうとした映像に思えた。
自分の人生だからこその思いの詰まったショットの数々。それを撮ろうしていた若松孝二監督。
人生で誰もが一本は傑作を撮れる。それは自分の人生を撮ること。
そして、自分の強い思いを表現する事。
特に、屋上のショットはグッと心を掴まれた。粗い長回しだからこそ気持ちと勢いを感じる。表現したい、社会に対しての強い思いなど自分にはないのではないかという不安。表現できるのか、していいのかという不安、不満。相手にあるもの、自分にないものへの不安、妬み、不満。
綺麗事で割り切れない、分からない感情をぶつけ合う様にグッときた。
東出君の何とも言えない存在感、コムアイさんとの夫婦像もとても良かった。
映画の良さをただただ感じる映画だった。