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リヴァース・アングル ニューヨークからの手紙のひのレビュー・感想・評価

3.6
@ストレンジャー


--- memo ---
1982年3月にニューヨークで撮影された。フランスのテレビ向けに制作され、ヴェンダースが今後数年にわたって制作する予定だった一連の「日記映画」の試作となる。ヴェンダースにとって初のアメリカ映画『ハメット』(1982)制作中の日々を描いていて、製作者であるフランシス・フォード・コッポラも登場する。
2015年に16mmオリジナルフィルムよりデジタル処理された4Kレストア版。


・フランシス・F・コッポラ →アメリカンニューシネマの人、ヌーヴェルバーグの解体
・『ハメット』制作はヴェンダースにしては商業的映画だった、実験的映画をつくってきたヴェンダースはハリウッドの洗礼をうけることに
・コッポラとの軋轢で制作が8ヶ月とまる間につくられたのが『ことの次第』(1981)→ラウル・ルイス『領土』の半ドキュメンタリー
「ポルトガルで『領土』を撮影中のルイスが資金面でトラブルを抱え、フィルムが尽きかけていることを聞いたヴェンダースが、ベルリンの自宅の冷蔵庫にあったフィルム缶を持ってポルトガルへ向かい、そこでルイスの撮影隊と出会ったことから、『ことの次第』という作品は生まれ落ちた。『ことの次第』は、『領土』のスタッフのほぼ全員、そして4人の俳優をそのまま流用し、同じポルトガルで撮られた。資金難に苦しむ撮影隊を描いた物語の内容も、まるで『領土』の撮影そのものをテーマにしたかのようだ。」(http://www7.plala.or.jp/cine_journal/whoswho/ruiz.html)
・フィルム中に登場する本はエマニュエル・ボーヴ『ぼくのともだち』(1924)
・序破急の「序」が長く、「破」がなくて「急」が最後に詰まっている(ニュージャーマンシネマ)の特徴は『セイム・プレイヤー・シューツ・アゲイン』(1967)から見られる
ひ