贔屓目はあるとしてもとてもよかった、日本人（特に若い人）にこそみてほしい映像だったし、映画館のでかいスクリーンでみてよかった。
1983年はオイルショックの前後でバブル前夜、狂乱って雰囲気はないけど人々は生活に張り付くわけでもなく何処か浮き足たってるようにみえた。そんな時代のタクシーに映るCMを「神話的」な小津の映像に対して「暴力的」と言ったのが、目撃者ならではの表現だった。
狭い土地に密集してパチンコとか打ちっぱなしに勤しむ日本人は滑稽にみえただろうか。戦後の傷心を癒すための遊技だったと言っていた。新宿の大通りと路地裏のネオンはたまたま見つけたのか、海外にすでに東京としてのイメージがついていたのか気になる。
80年代とはいえ荒川か隅田川沿いにはまだバラックが残ってたし、代々木公園の竹の子族は初めて映像でみたけど思ったより田舎くさかった（ピークは過ぎてたらしいから実際地方民も集まってたそう）
たった40年前なのに全然しらないことばかりで、この映像をとってくれて感謝。
はじめと終わりをリスペクトする小津の作品で締める粋な演出、貴重な映像監督のインタビュー、小津安二郎への愛が溢れた映像でした。
@テアトル新宿
