ユンファ

ラブ&ポップのユンファのレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
5.0
僕の中では、エヴァ旧劇と並んで庵野秀明の最高傑作であり、日本映画全体の中でもベスト3には入るであろう作品。
今では盗撮ビデオみたいな画質でしか観ることが出来ないが、「ラブ&ポップ」は映画館で、フィルムで観るに限る。というのも、全編デジタルカメラで撮影された映像をフィルムに変換する手法で制作されており、それにより醸し出される独特の空気感こそ、本作最大の魅力だからだ。自宅で鑑賞する際には再現不能なため、敢えてあの画質でディスク化しているのも理解は出来るが、勿体ない。エンドロールのみ35mmフィルムで撮影されているのだが、デジタルからフィルムに切り替わり、画角も画質も一転し、あのヘッタクソな主題歌と力強く歩んでいく少女たちの姿に感動して、劇場で大号泣したのを僕は永遠に忘れない。
「ラブ&ポップ」が描いたのは、己の無力さを知りながら、それでもなお抗い続ける少女たちのかっこよさ。誰が何と言おうが、それは間違いなく『希望』なのだ。
ユンファ

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