明石です

劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100の明石ですのレビュー・感想・評価

3.4
ほん呪制作チームのもとへ届いた、何の変哲もないママさんバスケの映像に、「映ってはいけないもの」が映り込んでおり、その映像にはどこか既視感があった。プロデューサー曰く、24年前にも全く同じ映像が投稿されていたのだという。その「映ってはいけないもの」の謎を追ううち、複数の謎が生まれ、最後にはひとつに繋がっていく。ミステリー仕立てのお話でした。

一本の投稿映像に絞り、その映像にまつわる謎を解いていくという、『ほん呪』劇場版第一弾で失敗した構成をあえて採用し、20年越しに再挑戦をかけたかのような感がある。また、記念すべき100回目ということで、シリーズ最初期に送られてきた映像に謎を絡めようとする試みもエモいなと思った。ただ個人的には、投稿映像をテンポよくバンバン出していくあの古き良きスタイルを期待していたので、もし本作を劇場へ観に行ってきたら、肩透かしを喰らっていたと思う笑。

一本の映像が呼び水になり、複数の謎が提示され、それらを追ううちに謎がひとつの真相へ結びついていく、という作劇スタイルは、昨今のモキュメンタリー(ほん呪は、少なくとも表向きは「モキュメンタリー」ではなく「ドキュメンタリー」だというのは一旦置いておくとして笑)では流行りのものだと思うのだけど、やっぱりほん呪はほん呪らしくあってほしいと思った。

そういう新しいスタイルは、謎を解く側の人間(=スタッフ陣)に観る側が愛着を抱けないと難しいと思う。『コワすぎ!』しかり『心霊玉手箱』しかり『監死カメラ』しかり、スタッフがどんな人間で、彼ら/彼女らにどんな魅力があるかが観る側に伝わってるからこそ、謎を追う過程そのもの面白みが生まれる。ほん呪シリーズは、まずはスタッフを固定させて彼らの魅力を前面に押し出し、スタッフ自身にファンがついてから、謎解きをするべきなのではと思った。とにかくこのシリーズは人の出入りが激しすぎるのよ、、(本劇中だけでも2人くらい辞めてたし、、笑)。そして、こういう類の感想を書く頭のカタい「古参」ファンが、このシリーズを時代遅れにしていくのだろうなとも思う笑。
明石です

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