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変な家のTSのレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
2.8
【ほぼホラー映画なので注意】66点
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監督:石川淳一
製作国:日本
ジャンル:ホラー
収録時間:110分
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 2024年劇場鑑賞10本目。
 原作未読。。ではないんですよねー!笑 自分、小説って滅多に読まないのですが、今作に関しては珍しく原作を読んでいました。なので、自分としては珍しく原作と比較して鑑賞できるという有り難さ。それにしても、人気の割にネットの評価はあまり高くないので心配していました。なるほど、確かに見終えてからはこの評価でも仕方ないのかなと思えてしまいました。まず今作はミステリー映画としていますが、ほぼホラー映画です。ジャパニーズホラー独特の禍々しさが漂うのでホラー映画が苦手な方は注意が必要です。個人的には前半は急足ながらも原作に忠実で良かったですが、後半の改変が引っ掛かりました。これは多くの人が思うところではないでしょうか。また原作未読の方からすると、この映画ってこんな方向に行くのか?!と思えてしまうはずであり、それが評価の分かれ目となりそうです。おおよそ平均スコアが低いことから、これを否定的に捉えた方が多いのだと予想できます。

 YouTuberの雨宮は仮面を被り奇妙な話を動画で更新していたが、イマイチ再生数が伸びない。そんな中、知り合いが家を購入するということでその間取りを見ていたのだが。。

 前半はまさにこの「変な家」の間取りにスポットライトがあたるので良いです。ただ、2時間という限られた中で、原作の最後まで進むのはやや無理があるので、この間取りの話に終始スポットライトをあててもよかったのかもしれません。あの間取りをじっとみて、奇妙なところを発見してぞくっとする。あの「間」が今作の特徴であり売りなのだと思います。第二、第三の間取りも見せないといけないため、急がないといけないのはわかりますが、このあたりは少しもったいない気がしました。映画なので当たり前と言えば当たり前なのですが、小説で想像でしか描けなかったこの変な家を映像化してくれたのは嬉しかったですし、POV式の映像でこの家の中を歩くのはかなりの緊張感。自分の記憶では、実際に家の中に潜入するというのは原作になかったと思うのですが、これは僕たちは「間取りを映像で観たい」と少なからず期待しているので良い改変だったと思います。このあたりがホラー要素が強くて、苦手な方は要注意です。

 ところが、第三の例の間取りが出てきてから原作を読んだ人も未読の方も、別の観点であれ?と思ってくるはずです。原作を読んだ方ならば、この第三の物件を訪れるまではまだ許容範囲だと思います。ところがそこからの展開が頗る微妙。あれ、こんな話だったけ?と思います。これは、恐らく映画的な見せ場が必要であると判断されたため、用意された改変であると思います。この展開を好む人もいるでしょうが、これがまた微妙なのです。確かに仮面の恐ろしさはあるのですが、主人公サイドにあからさまな暴力表現はあまり恐ろしいと思えません。というか、我々は今作にこのような要素を求めていないので肩透かしを喰らいます。あのじめじめとした違和感を終始保ってほしかったです。仮面をつけた人物たちが松明を持ち建物に入ってきた時は笑ってしまいました。いやいや、こんなド木造の家にそんなごつい松明をもって入ってしまったら大火事になるって。そもそも灯りついてるんだからやめとけよ。と、そこがポイントではないのに突っ込んでしまいました。

 ということで、今作の評価は前半はまずまず良し、後半は微妙ということになりました。後半の評価は分かれ目になると思いますが、あまり褒められるものではないと思っています。また、佐藤二朗は好きな俳優の一人なのですが、このキャラを栗原でされるとなんだか微妙だなと思いました。コメディなら抜群なんですけどね。。是非とも原作も読んでみてください。
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