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ポエトリー アグネスの詩 4K レストアのSayawasaのレビュー・感想・評価

3.3
チャンドン監督の6作品のうち、主人公に一番感情移入しやすいのがこの作品だと思う

明るく優しく生きること、美しさを大切にすること。主人公の気高さと正反対に、彼女を傷つけていく周囲の状況に最初は憤りを覚えていたけど、次第に諦念するに至った。「人生はかくあるもの」というテーゼを「本当にそれで人がより善く生きられるのか?」と真正面から切り込む監督のストーリー設定のえぐみ…そして俳優の演技力…

美しさを大切にする彼女だからこそ、現実の生を全うするのにはあまりにも辛かったのだと思う。
少女と同一となるラストでの詩の語りに、主人公の感受性の高さだけではなく、こうすることでしか償えないという申し訳なさが深く強く滲んでいるように思えた。
ラストシークエンス以後のエンドロールのBGMが川の音であり、冒頭につながるのもすごい

女優さんご本人がその後認知症になられて、近年この世を去ったというエピソードも含めて大変印象的な作品だった

個人的には
オアシス>ポエトリー>>シークレット・サンシャイン=ペパーミント・キャンディ>>グリーンフィッシュ>>>>バーニング
チャンドン監督作品好きなひとの話も聞いたみたい