twitwilights

プリシラのtwitwilightsのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
-
後追いエルヴィス・ファンとしては、エルヴィス・プレスリー・エンタープライズ(EPE)が、オリジナル楽曲使用の許可を出さなかった理由が気になる。とはいえ、そのお陰か、選曲された60‘s~70‘sポップが、ソフィアのあの洗練された映像に重なる相乗効果よ。冒頭には、1980年リリースのラモーンズ“Baby I Love You”が。オリジナルのザ・ロネッツのヴァージョン(こちらは1963年リリース)をあえて使用せず、『マリー・アントワネット』同様、物語の同時代性をすっ飛ばしたセンス一発の選曲が最高だった。

もちろん、ソフィア・ワールドは選曲のみにとどまらない。今回も淡いブラウンとグリーンを基調とした美術と色彩が印象的。まるでパステルカラーの白日夢を見ているかのようだ。そして、プリシラの素足がゆっくりとラグに沈む、その息を呑むような演出も見事だった。

執拗なアイメイクの描写。60年代終わりから70年代初頭は、最もメイクアップ術が進化したと時代とされる。時代のアイコンと成り得たスターたちもその渦中に居たわけで。VIVAラスベガスな夜景も良かったな。バズ・ラーマン版"ELVIS"も大好きだが、鑑賞後の余韻は大きく異なった。
twitwilights

twitwilights