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⼈⽣って、素晴らしい/Viva La Vidaのtwitwilightsのレビュー・感想・評価

3.5
執拗なカットチェンジ、ジャンプショットの多用。それらの演出・編集と、ポン・ユーチャン演じるリュトの”宇宙趣味”も手伝ってか、昨年日本公開された「宇宙探索編集部」を思い起こす。現中国映画のトレンドなのだろうか。この編集手法は、とくに冒頭、主人公の置かれた立場の語り口として、これ以上ない効果を発揮していた。ただし「宇宙~」の方は、ほぼ全編がハンディ撮影だったため、画面酔いが酷くて大変だったのだが。

主人公のリン・ミン演じるリー・ゲンシー。佳作「兎たちの暴走」を観て大ファンになった。やはり彼女の演技は今回も素晴らしかった。

個人的に少し苦手だった前半部の、過剰とも取れるスラップスティック演出が、後半部にかけ回収されていくカタルシス。振り切った多幸感と、振り切った絶望感が、まるで綱引きのように観客を翻弄する。

闘病における身体の変化と、その医療行為の描写も恐ろしくリアルだ。また、生活するうえで、他人には隠したくなる人間の生理も実直に映し出す。たとえば、排泄や汚物、体臭、よだれ、など。それら人が生身であることによる露わな現実と、大自然や超常現象への接続が無理なく描かれていた。

国内4館1週間限定公開は、本当にもったいない。
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