このレビューはネタバレを含みます
人間は皆、心に醜さを抱えている。
それをなんとか心の奥底に隠しながら、騙し騙し生きている。
さとくんは、それができなかった。潔いほどに正直だった。
終盤、さとくんが投げかける問いに、答えられない自分がいたことに苦しさを覚えた。
私は福祉の仕事をしたことがないし、周りに重度の障害を抱えた方と関わったこともほとんどない。だから、どこか他人事のように思っていた。
だからこそ、さとくんの言葉はナイフのように、自分の心を深く抉った。
個人的には、主人公夫婦の話は割とどうでもよくて、さとくんの背景をもっと描いてほしかったと思う。
あと、時々出てくる謎のカメラワークがきになった。