ワンコ

女王陛下の007 4Kレストアのワンコのレビュー・感想・評価

女王陛下の007 4Kレストア(1969年製作の映画)
4.2
【スパイの悲しさ】

※ BOND IS BACK 60 years 007 4K

「007は2度死ぬ」でショーン・コネリーがジェームズ・ボンド役を引退し、今作はジョージ・レーゼンビーが007を演じている。
レーゼンビーが、この一作だけで降板すると自ら申し出たとか、次回作も本当はやりたかったのに制作サイドがレーゼンビーの態度が気に食わなくて次回作へのオファーをしなかったために、レーゼンビーが体裁のために自分からやめると言ったとか、いろいろ言われているけれども本当のところは分からない。

この作品はアルプスの雪山でのアクションが見ものなのだけれども、ちょっと笑ってしまうのが、カーリングのギャグのようなわざとらしい仕草や、アクション俳優とは決して思えないテリー・サバラスに、かなりアクションを強いているところだ。
あと、序盤のたばこのポイ捨ても今見ると気になる笑。

ただ、時代的に核に注目が集まりがちなところ、ウィルス兵器を登場させたところは、やはり007シリーズは時代を先取りしていると思える一方、アレルギーに着目したのはやっぱり時代を先取りしてて良いとしても、世界から集めたアレルギー患者が催眠で運び役になるというのは、どんなもんかいと思う。

ただ、エンディングは悲劇で、スパイに家族を持つことは難しいというシリーズの最新作「No Time to Die」や、ミッション・インポッシブルにも引き継がれるスパイの業みたいなものだし、争いごとにはなかなか終わりは見えないというテーマも示唆する内容になっていて、本編とエンディングの二面性もこの作品の特徴になっている。
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