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フォーエバーのSPNminacoのレビュー・感想・評価

フォーエバー(2023年製作の映画)
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スウェーデンの女子フットボール映画。チームで一番巧くて気が強いミラは怒ってる。ママはわかってくれないし、大親友キアに彼氏ができて面白くないし、女子選手はどんなに巧くてプロになってもズラタンにはなれない…。
キアはとても面倒見の良い子で、怒りより寛容さが強みだ。でもパスを出さない、人に助けを求められないミラは自分で自分の首を絞めてどんどん窮地に陥ってしまう。元代表選手だった監督も怒りでチームを支配する(かなり無茶苦茶だ)が、それで上手くいくはずがない。友情もフットボールも。
夢と現実の間で男女格差、陰湿なハラスメント、苦く大きな問題が次々重なるのは辛いものがあった。ところが、その一つ一つの落とし所が軽いというか、甘いというか。キアがいきなりヒールターンしたり、ママが急に応援したり唐突だし、みんなお互いに結構酷いことしてるのに、え、それでいいの?ってバランスが釈然としなかった。交代なしだなんて、他のチームメイトも怒っていいよ?
まあ、思春期で起こるトラブルに明確な落とし前はないのかもしれないし、旅立つミラのシューズが1人じゃ勝てないと成長を示し、エンディングでは「きっとそうなる」女子フットボール界の夢を見せてくれるのだが。
ミラと監督の類似をヒールリフト技で表したり、映画はフットボールと試合をちゃんと中心に置いて物語る。チームはコソボ出身のミラはじめ多民族構成だったり、キアにダウン症の兄弟がいたりの背景は、直接関わらないけどそこが自然だ。ミラのプレイシーンはなかなかの説得力(現役選手?)。FWらしいけど背番号は7、ゲームでプレイするスウェーデン×デンマークにはズラタンとシュマイケル…もしやユナイテッドファンなのか。
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