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ほかげのhrmのレビュー・感想・評価

ほかげ(2023年製作の映画)
3.8
数日前、目の前で口から発された「復興」という言葉に違和感を覚えた。
被災された方々にとっては、壊れた街が再建されても心の傷が癒えるわけではない。
この映画を観て、戦争に対して似たようなことを思った。
敗戦が宣言されたからって戦争が終わるわけじゃない。
そこからほんとうの苦しみが始まることだってあるし、何十年も経ってからPTSDを発症することもある。
この環境に置かれたとして、私には生きる選択ができるだろうか。
日に何度も生きることをやめてしまいたいと思いながら、それでも尚、生にしがみつくことができるだろうか。

80年代から自主制作スタイルで撮り続けている監督だからこその90年前後の懐かしい映画の雰囲気も感じてきゅんとした。

主演の塚尾桜雅くん(8歳)は表情の演技がとても素晴らしく、趣里ちゃんと森山未來に至っては「このひとたち、やっぱり怪物…」と(褒めてる)。

暗いし重いししっかり血が出るタイプの映画を撮るひとだけど、やっぱり塚本晋也の作品が好きです。
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