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ナポレオンのDjohnのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.8
「ナポレオン」
大作も大作。歴史上の出来事が、まるで夢のように眼前に展開する。

しかし目眩く流転する歴史に対して、ホアキン・フェニックス演ずるナポレオンは、時代に翻弄さえながら虚無の面持ちで、一喜一憂しているのやらいないのやら、それらを一様に受け止めざるを得ない。全ては無常。

僕の周りの個人のレベルでは忘れ得ないといえども、誰も一顧だにしないようなちっぽけな話も、それに似たようなものかと思ったりもする。

高校2年の文化祭で上映した映画が、「ワーテルロー」だったが、マーチを奏でつつ行進する歩兵が無抵抗にポンポン撃たれて死ぬのに、笑いが起きたのを覚えている。本作では同じ場面の同じ状況に悲壮感があった。歩兵は無駄死にしてでも行進するしかないんだな。こんな役回りは嫌だ。

蛇足だが、上映方式について。

配信用の画角で上映されたので、本作をIMAXで観る必要はなかった。AppleやNetflixの作品はIMAXで観ても金の無駄遣いになるようだ。普通の上映で観ても、視覚的には大差ない。
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