TAKEZOH

ナポレオンのTAKEZOHのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.5
征服したいのは世界ではなく、妻の心!?
妻への愛の承認欲求の一挙手一投足に国が、国民が巻き込まれる!!
向かうところ敵なしの愛妻家と勝利の女神の愛憎の決闘!!!
衝撃と畏怖からの砲撃、万策尽きてからの極寒の泥臭い歩兵、騎馬突撃の肉弾戦などアクションの見所はあるが、今回は救国、戦乱のカリスマの英雄譚よりは妻への愛に殉ずる男と妻の物語がメインのようであり、愛のために愛ゆえに夫婦の倦怠期の浮気の確認のために遠征を投げ出す姿は男性性の支配欲、独占欲を現しており、粗野な情事と男の勇ましさを象徴する短絡的な稚拙さと滑稽さは彼女に母性を求めている子供ようにみえるが、同時に一途などうしようもない愛の求道者が愛らしくみえる。
その愛を受け止めながらも自由奔放に翻弄するファムファタールな妻を、世継問題で国のために、己の存在理由に等しい“勝利の女神”を天秤にかけ、自ら手放しておきながら未練がましく、時に危険を冒してまで会いに行くほど二人は素直になれない表裏一体の共依存のつがいのようであり、その駆け引きは決闘に匹敵するほどだった♪
TAKEZOH

TAKEZOH