カンパニー

市子のカンパニーのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.8
ある日突然姿を消した恋人の消息を辿る青年を通して描かれるひとりの女性の物語。
時系列を錯綜させながら、その時代に彼女と接点のあった人物の証言とともに彼女の生い立ちが次第に明かされていくという構成が抜群で、ミステリー
的な面白さだけでも充分なうえで、主演杉咲花の圧倒的な存在感と、重厚な人間ドラマとしての見応えもあって2023年を代表する素晴らしい作品だった。
サウンドトラック的な楽曲が一切ないからこそ、衝撃的な、あまりにも切ない場面で鼻歌で奏でられるとある楽曲の強烈なインパクトが今でも忘れられない。