ひもさん

市子のひもさんのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「壮絶な人生」を送る市子。
幸せになれると思った矢先に訪れる過去の呪い。
そもそも幸せになれると思ったのが間違いだった。
そして壊れていく。いや、もともと壊れていたのか。

世界が二人だけならばよかったのに。
彼には言えず、消える。
彼に打ち明けることはできなかった。
どうして私が。どうして私だけが。どうして私ばかり。

死にたい人も、私の役に立ちたい人も、私のために死ねるならば本望でしょう?
そして私は確かに存在する人間として、今度こそ生きる。

絶望の大きさと、それに負けずに生きようとするたくましさが結びつかない。
どうしてそこまでして生きようとできるのか。
でも多分理屈なんてなくて。
ただただ、生きたいんだろうな。きっと。
普通の人として、普通に。

「壮絶な人生」と言葉にすれば五文字だけど。
これこそが映画の中心の一つであり、徐々に明らかになっていくその中身。
それに伴う演技がとても素晴らしかった。
そのうちまた観たいやつ。
ひもさん

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