工藤蘭丸

夢二 4Kデジタル完全修復版の工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

夢二 4Kデジタル完全修復版(1991年製作の映画)
4.0
鈴木清順の大正浪漫三部作の最後で1991年の作品だけど、私は当時は日本映画はほとんど観ていなかった時期で、タイトルすら知りませんでしたね。(^^;

調べてみたら、キネ旬ベストテンでも11位に留まっていて、1位だった『ツィゴイネルワイゼン』や3位だった『陽炎座』よりも評価は低い印象なんだけど、息を飲むような映像美やカメラワークなども見事だったし、クスリと笑えるようなユーモアもあって3作の中では一番分かりやすく、それほど遜色のない出来だったと思いました。

キネ旬ベストテンに関しては、『ツィゴイネルワイゼン』が1位に選ばれた年とは選者が半分ぐらい入れ替わっていて、『喜劇 大誘拐』などが2位に入っていたほどだったし、こういうアート系の作品は上位に入りづらくなってしまったのかも知れませんね。

ただ沢田研二の演技は、どことなく現代風でしっくり来なかったかな。竹久夢二の写真を見ても全然似てないし、これはミスキャストだったように思いました。女優陣はほとんど名前も知らなかったけど、みんな良かったし、沢田研二つながりか、長谷川和彦が出演していたのにもびっくりしました。それからエンドクレジットを見たら余貴美子も出ていたようだけど、どこに出ていたのか全然気づきませんでしたね。