工藤蘭丸

ベルリン・天使の詩 4K レストア版の工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

4.4
これは初公開当時に観ているけど、たしか途中で眠ってしまって、どんな話だったか全然分からなかった覚えがあるので、あらためて午前十時の映画祭で観てみました。

でも、たしかに眠気を誘う映画には違いなくて、今回も途中で少しウトウトしてしまったところもあったけど、それは心地よい気だるさというか、天使たちに見守られている安心感があって眠れるみたいな感覚でした。

彼らはキリスト教で言うところの守護天使なんだろうけど、日本にも古くから守護神という言葉があるし、則本が登板すれば安心して見ていられるみたいな感じかな。(笑)

デジタル修復されたカラー映像の美しさも目を惹いたけど、人間界をカラー、天界をモノクロで描いているのが特徴的。まだベルリンの壁が崩壊する前の作品で、欲望渦巻く西側を人間界の象徴として描いているのも面白いところでした。

コロンボネタで引っ張るコメディリリーフ的な存在のピーター・フォークにも笑えたし、ニック・ケイヴの音楽も良かったし、空中ブランコの演技なども見応えがあったし、すごく温かな気持ちになれる大人向けのファンタジー映画でしたね。

どうやら、この続編もあるみたいだけど、いつか機会があれば観てみたいところです。