おっとっと

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのおっとっとのレビュー・感想・評価

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あぁ・・・・。「この映画に救われた」と言える自分が確かにいる。

大きなことは起こらない、きっと彼らの関係性もこの映画の中で終わってしまうだろう。そして観客の我々もこの3人のことをいつしか忘れてしまう。しかし、そんな些細なことが積み重なったものこそが恐らく人生と言われるもので、今や名前も思い出せない誰かが、きっと自分の人生の一瞬間を救ってくれたはずだ。いやもしかしたら救ってくれたとまでは言えなくて、ただ今夜だけは気持ちよく眠れる、それぐらいの些細な良いことをしてくれたはずだ。そうやって自分は悲しく寂しい夜をいままで超えてきて、そしてこれからも超えていくのだろう。

クリスマスという、そのものが自分をも飲み込まんとす、巨大で辟易とする、しかし年に一度は必ず訪れてしまうイベントを、「世界中の人間誰もがその日を幸せに暮らせるわけがないだろう、でもその努力はする(そして何がしか幸福をもたらす、かも?)」という、いや、この映画は非常に不器用ながらもやはり人生讃歌、人間讃歌だと思うな。
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