しだたくみ

悪は存在しないのしだたくみのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

こりゃ凄い。自然によって人間が淘汰されるのではなく、自然を信仰する人間たちによる全体主義的なルールが、異物として都会人を排除してしまう物語。

思えば、会合の段階で誰もグランピング施設に賛成する人が現れなかった時点で、村人たちの強烈な団結感と排他性が垣間見えていたので、そこに土足で入り込もうとすると理不尽にも殺されてしまう...という風にも読める。うどんの味がわかってなかった時点で「テスト不合格」といった感じか。

しかも何の罪もない人を躊躇なく殺せる時点で、ものすごく行きすぎた宗教性を感じた。巧の奥さんも同じ手を食らったのでは...と想像してゾッとする。

ドライブマイカーなどと比べても、とにかく映像&撮り方が素晴らしい。もっといろんな映画館でやって広まってくれ。
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