おやすみ

悪は存在しないのおやすみのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.6
金儲け主義の外からやってきた人たちと地元住民とのいざこざの映画なのかな?と思っていたけど、違った。
巧がまだ幼い一人娘・花の送迎を何度も忘れたり、終始不穏な感じがつきまとっていた。
グランピングの説明会の時、明らかにやっつけ仕事のように説明する高橋や感情的に話す住民たちには人間味を感じるのに、感情が全く読めない巧に胸がざわざわした。
私には他人と繋がろうとしていないのは巧の方で、娘の花にさえ興味がないかのように思える。
世捨て人のように、幽霊のように生きている巧の前に、都会から突然やってきた高橋や黛たちによって、巧の中のバランスが崩れ、そこからなし崩し的に「上から下へ流れ」ていった先が、この物語のラストなのかな、と。
しかし唐突に突き放されたかのようなラストに、映画館のどこからか「え?うーん。。。」という声が上がり部外者として傍観していた観客としては、そうなるのもわかるな、と思った。
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