Adele

伯爵のAdeleのレビュー・感想・評価

伯爵(2023年製作の映画)
2.0
なかなかシュールで面白い
面白いといっても、笑える面白さではない
また、全てにおいて芸術的センスを感じた

250年も生き続けている吸血鬼
フランスで生まれ、現在はチリ在住
クーデターが成功し、チリのトップに立ち、汚職まみれだが、まわりからは伯爵と呼ばれる
もう、そろそろ死にたいのになかなか死ねない吸血鬼
主人公はチリの実在人物だとか
もちろん、吸血鬼ではありませんよ

吸血鬼ものといえば、どうしても、ちょっと前に流行ったロマンスものを思い出しますが、これはそんな甘さは全くなし
冒頭から、フランスの娼婦の顔が潰されるシーンはあるし、実在したあの女王のギロチンシーンも隠さず映し出す
そんな残酷なシーンがときたま出てくる

しかも、今回の吸血鬼は日中日がサンサンとしていても隠れず堂々と活動している
子供達も奥さんもみな、主人公を吸血鬼だと知っている
しかも、奥さんも子供達もみな、腹黒く、親への愛情よりも目的は金・金・金

穢れを知らない修道女が空を舞うシーンはとても美しく、何時間も観ていられそうだった

ラスト近く、これまた実在したあの女性が出てきて非常にびっくり!
えー彼女が母親なのー?と
少しやりすぎ感もなくもないけれど、刺激あってよかったのではないでしょうか

普段、マーベル大作やSF満載の作品やラブコメ好きな方はもしかしたら、合わないかもしれませんが、シュールなものが好きな方にはオススメです
あえて、モノクロ作品なのもまた、芸術的センスを感じました
たしかに本作はカラーよりもモノクロの方が演出的に良かったと思う
Adele

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