「善行は残らない」と船長は言ったけれど、ちゃんと後世に残ってます。
第二次世界大戦時、撃沈された敵国の船員を救ったイタリアの潜水艦・コマンダンテ・カッペリーニを描いた史実ベースの物語。
最初から熱い物語が展開されるかと思っていたけれど、序盤は船長の私生活や乗組員を送る女たちなどが出てきて、ちょっと丈長。
中盤からはグイグイ引き込まれる。
結果的には期待した通りの「海の男」の人間物語が見られるのだった。胸あつ。
ほぼほぼ人間物語であって、潜水艦戦闘記を見たい方にはお薦めできない。
ファシスト呼ばわりされても、敵国は沈めても「人間は助ける」。
実はこのコマンダンテ・カッペリーニ号、イタリアの降伏後は日本帝国海軍に接収され、終戦時には日本の潜水艦として存在していた。
だから日本との縁は深いのだけど、今回は全く無関係……だと思ったら、思いがけず明治天皇のお言葉がセリフの中に入ってきたりして意外だったわ。
変わった潜水艦物語を見てみたい方は是非。