Kiki

DOGMAN ドッグマンのKikiのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
5.0
「IN THE NAME OF GOD」
(神の名において)
檻の中から見えた鏡文字に唸る

最初から最後までヒリヒリして
余韻が強く残る好みの映画でした。

女装した異常者に見える"ドッグマン"と呼ばれる男。拘置所で"どちら側"に入れるべきなのかという判断がつかず、精神科医のカウンセリングを受けることになり、半生を語り始めた…。
犬小屋で育てられ暴力が全てだった壮絶な人生に圧倒される。

監督🎬リュック・ベッソン



(以下ネタバレ注意)

「不幸な者のいるところあまねく、神は犬を遣わされる」

いろんな犬種の賢い犬たち(家族)が、ダグラスの手となり足となり交渉したり、警察を呼んだり、伝達役・確認役・アタッカー役・セラピー犬も活躍した。出来過ぎなチームプレイも…

「神は私を信じてる?」
ダグラス役/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは『二トラム』でカンヌ国際映画祭男優賞に輝いた実力派俳優、今作も彼の目の語りや妖艶さに釘付けになりました。
初恋のサルマに失恋してから自暴自棄になるスイッチの入る瞬間も狂気がまとい凄いなと思いました。

エディット・ピアフ
マレーネ・ディートリッヒ
マリリン・モンロー
母親がよくレコードで聞いていたであろう音楽や就活をするさいのユーリズミックス♪メイク落としてシャワー浴びる時の繊細な表情と音楽♪最高でした!

精神科医エヴリンに全てを語った後
「同じ痛みを持っているから話した」と
エヴリンの抱える問題も相まって、環境で変わるダグラスの優しさや滾りを映し出す画が何とも"芸術的"であった。

自分で自分を抱きしめる
ダグラスにとっての"家族という居場所"
犬たちとの生活が続いていたら……



※あさイチの映画紹介は、いつも見せすぎ〜と思いますが…見せすぎたシーンが気になってチョイス出来てよかったw
Kiki

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