【荒野の果てに、春を掴む】
哀愁漂うマッツを堪能。18世紀半ばのデンマークについては全くの無知なのだが、職業軍人で大尉までいった人が軍人専用の救貧院に入るってどういうこと?恩給とかないんだろうか?
…それはさておき地主と女中の間に生まれた私生児(原題Bastarden私生児)にしては上品なマッツ。そしてマッツ扮するケーレンを虐める地主であり地方判事シンケルはなぜこんな闇深い感じなんだろう?勿論クズではあるけど何がこの人をこんなにしたのか、違う育ちをしたらこんなふうにならなかったのではと思う。この人のヨハネスへの仕打ちは鬼畜すぎる。側近たちも目を背けていましたよね。
といろいろと「うわぁー」なシーンで見る者を飽きさせず、アン・バーバラとタタール人の少女アンマイ・ムスと心通わせていくケーレン。ある時は強くある時は優しく、そしてある時はとても年老いて悲しげに見える。
あと何気に女性が活躍。シンケルに思いを寄せられていたエレルとアン・バーバラの連携。女は強し。でもさ、エレルが家に来たときケーレンが拒否らないのやっぱ男ねー。むっつりスケベなんかな笑
そして良い人だった牧師アントンはケーレンと出会わなければこんな死に方はしなかった。完全に″無駄死に″で辛い。
邦題は『愛を読むひと』を意識?