東野圭吾の作品はほとんど読んでるつもりでいたけど、これは読んでなかった。1996年の出版だから、『ガリレオ』より『新参者』よりも前、まだ東野圭吾がそれほど売れる前の作品だった。
主役以外はちゃんと演技のできる人で固めてある。先日見た『笑いのカイブツ』の岡山天音はすごかったし、『ポケットに冒険をつめこんで』の西野七瀬もよかったし、堀田真由の自然な演技とか大好きなんだよね〜。
なのに好きな俳優さんから退場していく。名探偵の芝居が一番素人くさい。この人『禁じられた遊び』でもそうだったけど、悪いけど主役の器じゃない。しかも今回は舞台俳優って設定だし、無理がありすぎる。舞台俳優さんの熱量と演技力って、こんなもんじゃないよ。
ミステリーとしても、全然本格じゃない。
原作だと屋敷の間取り図がキーポイントになってるらしいが、映画ではそれが謎解きに繋がるとは思えないし、
おかしいなってところはある程度伏線散りばめてあっても、犯行の動機につながるところは全部後から語られるし、
きっとこうだろうなって予想がだいたい当たっちゃうし、すごい薄味。
元々期待してなかったけど、「原作:東野圭吾」ってうたってる作品では今までで一番おもしろくない。
少なくとも、もう旧Jタレントありきのキャスティングはやめてもらいたいな。