このレビューはネタバレを含みます
最後の舞台が作・久我ってことは、どっからどこまでが劇中劇なんですかね？
実際にあったオーディションの話を基に脚本を書いたなら、作・麻倉もしくは本多であるべきだと思うし、そもそもなんであの捏造オーディションに久我が参加してたのかがわからなくなる。
あと一緒に観に行った友達と意見が分かれたのだけど、井戸の中に死体を見たという体だったのか？それとも井戸の中には何もなくて、蓋に残っていた服の繊維から判断されたのか？私は顔を背けたり、顰める描写があったから、中にはゆりえの死体があって、残っていた繊維から温子も死んでいると判断したのかと思っていたのだけど、そこが映画では明言されていないから、みんなが死体を見た演技をしていたとも考えられる。そうなるとあのオーディションは始めから映画の観客に向けて打たれたお芝居ってことになるし。
久我が本多が犯人だって特定できた根拠もよくわからなかったんだよなぁ…。紐ならこっそり抜け出せる可能性もあるわけだし。
最初のキャスト紹介の演出が秀逸だったし、それぞれの人間の動きを俯瞰で見せたり、面白い点は多々あったのだけど、映画を観ている人に謎解きをきちんとできる手がかりが与えられていたのかはちょっと微妙なところだとは思った。別に全部のミステリ映画が謎解き可能なつくりである必要はないんだけど、この映画はどっちにしたいのかが中途半端な感じだったのがもったいない。まぁ、私の理解力の問題の可能性が十分にあるので、なんとも言えないけど！
