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キラー・ナマケモノのmaroのレビュー・感想・評価

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)
3.0
2024年日本公開映画で面白かった順位:49/50
  ストーリー:★★☆☆☆
 キャラクター:★★☆☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

なんだかんだで安定供給されているこの手のB級ホラー映画。
もはや面白さを求めてるというより、「どれだけつまらないんだろう」という怖いもの見たさが鑑賞のモチベーションになっている(笑)

今回の題材はナマケモノだ。
姿形を知っている人は多いだろうけど、改めて簡単にその生態について書いておく。
南アメリカ・中央アメリカの熱帯林に生息し、生涯のほとんどを木にぶら下がって過ごす。
地上での動作は非常に遅く、食事も1日に10g程度の植物しか摂らない。

そんなナマケモノが密猟者によってペットショップに持ち込まれ、主人公エミリー(リサ・アンバラバナール)の手に渡ったことが悲劇の始まりである。
このナマケモノ、知能が高く、スマホやPCを操作できるというびっくりな個体。
そこで、自身を雑に扱ったペットショップ業者とエミリーがツーショットで写っている写真を見て、彼女らに憎悪を抱いた様子。
女子寮では俊敏に動き、次々と女子大生たちを殺害していく。
しかも、殺害した女子大生とセルフィーでツーショットを撮る上に、なぜかテキストとハッシュタグもつけるほど賢い(笑)

ただ、全体的にツッコミどころしかないのがこの映画の特徴。
まず、ナマケモノなんだけど、VFX全盛期の現代において、CGを使ったシーンはおそらく皆無。
基本的には全部ロボットで、それをスタッフさんが操っていたと思う。
なので、動きが単調かつぎこちない。
まるで、かつてのグレムリンやチャッキーを見ているようだった(笑)

で、そのナマケモノによる殺害シーンが意外と地味。
あの長い爪で引き裂いて首や四肢をちょん切るスプラッターを期待していたのだけど、実際はそこまでインパクトがなく。
もちろん爪による攻撃はあるものの出血シーンは少なく、さらには鈍器で殴るなどのナマケモノらしからぬ殺し方も(笑)
女子大生たちも反撃して銃で撃ったり刀で刺したりするんだけど、いくら攻撃してもなかなか死なないというタフさを併せ持つ一方で、なぜか頭につけるティアラがぶっ刺さって致命傷になるというよくわからない設定。
そういえば、車も運転していたけど、ハンドルを握るのはまあわかるとして、アクセルやブレーキをどう操作していたのかは結局謎だったな。
絶対、足が届かないと思うんだけど(笑)

そんなわけで、殺人者がナマケモノってことでまったく怖くないどころか、むしろ笑ってしまうことの方が多い映画だった。
B級ホラーが好きなら観てもいいけど、個人的にはそこまでオススメしないかな(笑)
個人的には、ナマケモノよりも寮母のメイフラワー(ティフ・スティーヴンソン)が好きだった。
彼女の死ぬ間際の空気を読まない告白が一番笑える(笑)
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