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猿の惑星/キングダムのmaroのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
4.0
2024年日本公開映画で面白かった順位:12/53
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★

『猿の惑星』シリーズ通算第10作目。
リブート版第4作目。
前作で完結したかと思われたのにまさかの続編。
最初は「もういらないんじゃ……」と思ったけど、実際に観てみたら普通に面白かった(笑)

この映画は前作から300年後の世界が舞台。
なので、続投するキャラクターはいないけれど、大元の設定だけ引き継いでいる。
それは、猿が知能を持った背景だ。
結論から言うと、人間のせいなんだよね。
リブート版1作目『猿の惑星:創世記』(2011)でウィル(ジェームズ・フランコ)が父親の認知症を治す新薬を開発した結果、猿には知能向上の効果をもたらすことがわかったのだ。
さらなる効果のためにその薬を改良し、会社が利益のために大量生産したんだけど、なんと改良版は人間には殺人ウイルスとなることが判明。
「猿インフル」と呼ばれ、人々は次々に死に絶え、生き残った人々もそのウイルスが変異した作用で言葉や理性を失うことに。
これが猿が進化し、人間が退化した理由である。

本作はその前提のみが引き継がれているだけなので、過去作を観なくても特に問題なし!
今作では、若きチンパンジーのハンターであるノア(オーウェン・ティーグ)と、失われた人間の技術を手に入れようと躍起になるプロキシマ(ケヴィン・デュランド)の対立をメインに、その技術の秘密を知るノヴァ(フレイヤ・アーラン)も絡むスケールの大きな話だ。
これまでの『猿の惑星』は、進化した猿に翻弄される人間を描いたSFパニック映画の要素が強かったけど、リブートされてからは人類 vs 猿、または猿同士の対立を描いた戦争映画の側面が強かった。
今作は舞台が完全に猿に主導権を握られた地球で起こるサバイバル映画のような雰囲気があって、これまでとは違った楽しみ方ができる。

映像技術も格段に進歩し、荒廃したビル群が緑に覆われるディストピアや大量の猿たちが縦横無尽に駆けまわる光景は、もはや『アバター』シリーズ(2009-)のよう異世界感もあって視覚的インパクトも大!

そんなわけで、シリーズは長く続いているものの、過去作との繋がりも薄く、これ単体でも楽しめるし、とにかく映像がすごいので、これは映画館で観た方がいい作品だと思う。
続編も作れそうな終わり方で、この後のノアとノヴァの関係性も期待できそうなので観ておいて損はないかと!
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