暁月

コンクリート・ユートピアの暁月のレビュー・感想・評価

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
3.5
韓国産ディストピアディザスタームービー。

今回は映画の内容はその他のパニック映画とそこまで違う程の内容では無かったので、違う側面から語らせて頂きますね。

正直、以前レビューした「ニュー・オーダー」と比べると、脳天直撃ガツン!とお見舞されてる感はあまりありません。
ですが逆に登場人物の行動原理や、人は集団になると「水は低きに流れる」様が非常にリアルに描かれていると感じました。

「南海トラフ」を想定しているような災害時に「人はどう考え、どう動くのか?」のマニュアル映画として観ると、非常に考えさせられる所もあります。

まず思ったのは、「価値観、倫理観」は、自身にとって大切な人とは日頃から「すり合わせ」しておくべき!です。
劇中、主人公夫婦はまずそれで躓きます。

ある種、己の「倫理観や正義感」みたいな物は「◯◯な時であっても◯◯すべき!」と「理想をかがけている状態」とも言えます。

それが「法律」が機能しなくなっても出来るのか?理想では腹は膨れなくなった時でも出来るのか?
災害時には自分はどう動くのか?は大切な人とはすり合わせをしておくべきだと思いませんか?

次に思ったのは「所属するコミュニティを精査する重要性」です。
劇中でも、「代表率いるコミュニティ」と最後の方で描かれる「並立型コミュニティ」とで2つで対比させていますが、実際はもっと多様で複雑なコミュニティが乱立するのではないでしょうか?

だとしたら、自身と自身が守りたい人が「最低限許容できる範囲」を事前に決めておき、それを超えてくる「ルールの設定」や「同調圧力」があった場合、そのコミュニティから離脱する事も大切だと感じました。

ディザスター映画の良い所って、一緒に鑑賞した人と、この様な話をする機会が出来る部分もあると思うので、是非、ご自身の大切な人と鑑賞してみるのはどうでしょう?
暁月

暁月