ベルベー

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦のベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ラストの研磨視点でのラリーがハイライト。この一連の流れは胸が熱くなるに決まっている。当然、ここで元は取れた…が、一見さんお断りもここに至るとやり過ぎだと思わなかったと言えば嘘になる。

烏野と音駒の因縁とか、日向と研磨のライバル関係とか、知ってる前提にも程があるというか、本作から観た人は全然分からないでしょう。そんな人いるのかという疑問はさておき…でもこの爆裂ヒット具合だと普通にいそうだよな。説明のなさ、事前知識の必要さは「ガンダムSEED FREEMOM」以上だと思う。端的に言うと試合としての起承転結はしっかりしているが、物語としての起承転結の体は成していない。

しかし、ことバレーボールという球技への拘りは凄い。選手の身体の動き、ボールが描く放物線、ひとつひとつが超丁寧。バレーボールの身体表現にここまで拘ったアニメーションは他にないんじゃないだろうか。

特に圧巻だったのは冒頭に書いた研磨視点でのラリー。いつも俯瞰で観ている試合は、選手の視点からはこういう風に視えるのか…そして、こういう風に終わるのか…というリアリティがあった。カメラワークは勿論、梶裕貴の息遣いで全てを表現する圧巻の芝居の力も大きい。

直近で「THE FIRST SLAM DUNK」という異次元の球技アニメがあったせいでどうしても比較しちゃうんだけど(話の続きからでも、一見さんを引き込むストーリーテリングってあるよなあとか)、少なくとも「ハイキュー!!」ならではの映像表現とは何かについて突き詰めて考えられていたように思う。

まあ、これ観てからテレビアニメ版見返したら、最後なんだからリエーフや夜久も掘り下げて良かったんじゃ…とか、知ってるからこそ物足りない箇所もちょいちょい出てきてしまったんだけど。実際の試合時間に近づけるために、上映時間が85分というのも分かるんだけどさ。主題歌がSPYAIRなのは胸熱。
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