昭和プロレス好きとしては、ぜったい観たかった作品。
フォン・エリック家の『呪い』についてはある程度は知っていた。
けれど驚いたことにこの映画、実際よりも「不幸少なめ」にして作品化。
なんでも監督が「事実そのままだと、映画にした時に不幸ばかりになりすぎる」から検討の末、ハショったのだとか。
二時間、ほぼ一家の呪いのような不幸ばかり観ることになる。それなのに不思議な言い方だけれど、結果、いつもそばにいてくれる人の大切さに気づかせてくれる。
ラストの写真に… 堪らない気持ちになった。
だって、それは次男・ケビンが本当はずっと欲しかったものだから。
それから、この作品のプロレス・シーンを指導したのがチャボ・ゲレロ(の息子)。…なので、再現クオリティも高い。
「 アメリカン・ドリーム」という言葉の影に、こうやって犠牲になっていった人々はごまんといるのだろう、… ということに自ずと想いを馳せてしまうディープな作品。