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春の驟雨のsonozyのレビュー・感想・評価

春の驟雨(1932年製作の映画)
4.0
ハンガリー出身のパウル・フェヨシュ監督の1932年作。
原題/英題/邦題は『Tavaszi zápor / Spring Shower / 春の驟雨(しゅうう/にわか雨)』
別に『Marie, légende hongroise(マリー ハンガリーの伝説) 』という題もあるようです。

ハンガリーの小さな村。
17歳のマリー(アナベラ)は子沢山の家の女中として働き出す。
その家の長女が屋外で開かれる舞踏会に出かける際、入口まで行って靴を履き替えさせ、羨ましそうに舞踏会を眺め一人家に戻る。
夜、取り込むのを忘れていた洗濯物のために庭に出たマリーは、長女が男と一緒に帰ってきて、キスするところに出くわすが、驚いた長女は家に入ってしまう。
すると男は美しいマリーに近づき、手持ちのお菓子をマリーの口に入れてあげ、純粋なマリーは喜び、そのまま男にキスされ、どうやらそのまま庭で..(場面暗転)

男とはそれきりになるが、妊娠に気付いたマリーは、その準備でベビー服をベッドの下に隠していたのがバレ、家から追い出されてしまう。小さな村ではすぐに噂が広がり、どこの家でも女中で雇うところはなく、子供たちからも追いかけられる状態に。

ボロボロになったマリーは、汽車で別の村に移動し、男性相手のカフェを営む女主人のところに雇ってもらう。
無事、女の子も産まれ、カフェの女性たちも優しく支えてくれるのだが...

タイトルとなっている春のにわか雨は、ラストでその意味が分かります。
パウル・フェヨシュの最高傑作とする人も多いようで、悲劇のヒロイン、マリー役のアナベラが素晴らしかった。
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