けんざ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のけんざのレビュー・感想・評価

4.4
終末日常コメディ、この絶妙な脱力感でえぐい爪痕残してくる浅野いにおはやっぱ最高だよ!

まるでコロナ禍を予見していたかのような解像度で、未確認飛行物体の到来から陰謀論&正義感の暴走で病んでいく日本をJKの視点で描いている。プンプンで扱っていたテーマから一貫していて、何となーく今の日本ってお先真っ暗でヤバいんだろうなっていう絶望感を、軽快なユーモアで余計に引き立たせている感じ。世界を狭く感じさせる息苦しい描写も、高校の頃たまに打ちのめされていた無力感を彷彿とさせてたまらない。

DEATH NOTEチックな選民思想とか、第9地区のような非日常的設定も結構モロのオマージュではあるけど、やっぱり主眼になってるのはイソベやんことドラえもん。些細な人間トラブルで困ったら人ごと消せばいい、正義感の矛先を見誤るというのは、まさしく独裁スイッチだろう。本家ではドラえもんが結局助けてくれるのだが、イソベやんは問題提起だけしかしないので笑える。何しにきたんだ。いつまでたっても自浄作用の働かない人類を嘲笑いに来たんだろうか?

幾田りらとanoコンビも、声しっかりハマってて良かった。テーマソングもTKの作曲が見事に世界観と一致しててドハマり。後編公開が待ちきれない〜
けんざ

けんざ