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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のmitakosamaのレビュー・感想・評価

4.2
滅茶苦茶パンチが効いた作品だ。それ故に人を選ぶとは思うが、それでも一人でも多くの人に見て貰いたい映画だった。

8月31日に突如現れた巨大UFO(母艦)。米軍の攻撃の被害による被害もあり、世界が一変してしまう。
そんな中、市井の女子高校生の遣り取りが描かれる。

一人は小山門出(かどで)。メガネショートカットでツッコミ役。ドラえもん風の漫画“イソベやん”のファン。
一人は中川凰蘭(おんたん)。ツインテールのイッちゃってる中二病。下品。

このダブル主人公を、YOASOBIのボーカルの子・幾田りらとあのちゃんが演じる。
これが衝撃的なまでに上手い!!!その辺の萌え系声優顔負けの巧さだ。ちょっとビックリした。マジでこの世界の片隅にののんちゃんに匹敵する。

で、街では小型UFOの偵察機らしきモノが飛んできたり、自衛隊が迎撃したりと、今までに無かった非日常が繰り広げられる。
彼女ら自身は変わらないが、周りは確実に変化をしている。特にカドデは母親がすっかり市民活動家になってしまい辛い日々だ。

母艦の出現以降に世界が変わったというのは、明らかに3.11やコロナ禍以降の社会の変化を表すているのだと思われる。劇中で“8.31”と呼称する点でも明らかだ。

変わらないことと、変わってしまうこと。社会の激変に巻き込まれる多感な年齢の高校生の姿がカドデとオンタンだ。かなり極端な性格として描かれているが、それでも“等身大”の高校生を描いていると思う。美少女萌え系キャラには一線を画す表現の攻めた姿勢に評価をしたい。

とにかく類似する物語がない独創的な展開に一秒も目が離せない。作画もズバ抜けて良いし見どころしかないという感じだ。
これは続編にも期待。
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