トシK

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のトシKのレビュー・感想・評価

3.2
原作は大好きだけど、特に映画は期待せず確認程度でいいかなという気持ちで鑑賞。
感想としては、「うん、まあこんな感じよね」。
期待を超えた演出は特にないし、『漫画の映像化』の確認作業をしたといった後味。
この作品のグッジョブなポイントは2つ。
1つ目は声優にあのちゃんと幾田りらの起用。
素晴らしすぎるキャスティングよこれは。
あのちゃんはおんたんだし、おんたんはあのちゃんで、
りらちゃんは門出で門出はりらちゃんだった。
デベ子にTARAKOさんも粋な演出。

2つ目はキモいセリフの排除。
いにお作品特有の、理屈や人生観をボソボソ一人でしゃべくり倒すあのうっとおしさはかなり減って、そういうセリフもおんたんの兄に少し喋らせるくらいにとどまっているのがストレスなく観られた。
映像作品となるとあの量のセリフをずっと聞いているのはさすがにキツイと判断されたのでしょう。グッジョブ。


ただ、全体的にテンポが早くて「もうそこまで描いちゃうの!?」と前編にしては原作のかなり終盤まで描いていることに驚いた。
なので1つ1つのエピソードに余韻がなく、ダイジェスト感を強く感じてしまったのが個人的にはマイナスポイント。
この漫画で一番心に響くおんたんのあのセリフも、泣きこそすれすぐ次の展開に行ってしまうので余韻に浸れない。


後章の予告編ではラストが原作と違うらしいので、観に行かなければならなくなった。
でも、あの演出力ではあまり期待はできないかな…