宮本

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章の宮本のレビュー・感想・評価

4.1
2ヶ月ほども待たされてやっとデデデの後章見れました、そしてちゃんと前章と二本立て!ラストは原作と異なって、浅野さんがオリジナルのエンディングを描いてるのってのも楽しみだったし、シンプルに生田りらとあのちゃんが完璧に演じてる2人の主人公、おんたんと門出見たかったし、新しいキャラクターも登場するし、とにかくいろんな謎が残ってるまま前章終わってたのでまあうずうずしながらこの日待ってたわけです。
原作は読んではいるけど、アニメーションになった大好きな作品はやっぱりたまらん!
結果言いますと、もう最高です!
世界系作品、ここでまた再ブレイク?!
もう劇場出た瞬間全員「もうエヴァじゃん」とか言ってましたけど、確か映像的にエヴァやったし、中身はそういう世界観、ちょうど平成のど真ん中に登場し始めてたテーマや雰囲気、あの不安と鬱と孤独感、もちろん浅野先生の独特なユーモア、社会や政治的批判、グロい描写なども健全!クレジット見てみたら自分で原画切ってた?!その原画めっちゃ欲しいけど!
とにかく去年のゴジラ、今年のガンダムもいいデデデもいい、世界系が令和に復活!

今回のデデデ後章はSF要素や設定がどんどん濃くなっていくし、前章に貼られてる付箋もどんどん回収されていくので決して気軽に見れる作品ではないかもしれませんが、日常パートも続いて浅野先生のエモさがもりもりなので、バランスがめっちゃ取れてます。
前回のレビューにも書いたんだけど、この作品は3.11のパロディーであって、宇宙船に侵略され、何万人がなくなってしまい、とんでもない事件があっても普通の日常が続いてるという異様な空間を前章の前半にあって、後半は門出とおんたんの出会いと過去、宇宙人との出会い、けどキャラクターが言ってることと実際描かれてることとズレてるところがあって、謎が深まる、そして最後のセリフ「あの子はシフターだ」。

後章では時間軸、なんならある意味マルチバースというSF要素を使って、過去に本当に何があったのか、そしておんたんと門出の関係性にさらにフォーカスを当てます。その関係性は「君は僕の絶対だから」というフレーズが全てです、そしてラストのおんたんの選択、残酷であり、けど浅野いにおらしい圧倒的な共感の表現で誰しも複雑な気持ちで映画館を出ると思いたい。
なんたって、少女が大好きな子の為に幾人も絶滅しちゃったからね。
こんな世の中だけど(ガザ戦争、ロシアの侵略、公開のタイミングもバッチリすぎるけど)、結局俺らには絶対的な存在の為に残酷なこともする、人の二面性のようなことかな。1人の大好きな子の為に、時間軸書き換えちゃうし、人も殺せる。
オオバ君が人類を説明するところはかなり好きでした、「悪知恵が働くし、宇宙で一番凶暴です」、生々しくリアルなセリフで印象に残ってしまったぐらい、この作品のモチーフにもなってると思います。
この話はラストに繋がっていきますけど、やはりあの十字架が空に出現した瞬間にエヴァだ!と誰しも思うし、シャボン玉を触ると人類補完計画のままだし、ただ今回は進化の話ではないし、人が爆発に消されていく描写も素晴らしかった。今回は本当の意味で2人の少女の物語に世界が巻き込まれていくという世界系すぎる作品。前章逆に見せてたけどね。

喋り出すと終わらないけど、欠点があるとしたら尺!2人の物語がもちろんメインだけど、世間の描写もデデデの面白いところなので原作通りに描くには2時間が足りないな。テーマがエヴァに影響があったと同時に、やはりこの社会の描き方はかなりアキラっぽくて、特に小比類巻君のくだりですね。後、総理は最高でした、タバコを吸い出した時のあの顔は最高でした!
宮本

宮本