浅野いにお原作漫画の劇場アニメ化作品です。前章がとてもよかったので、期待しての後章。原作未読。
ボクは基本的には一本で完結しない映画作品は評価しません。なので、本作は例外中の例外と言ってもいいです。二章立てで好きなアニメ映画作品って『伝説巨神イデオン』の接触篇と発動篇。あとは『天元突破グレンラガン』紅蓮篇と螺巌篇くらいですかね。それもテレビシリーズのファンだったからってのもある。
本作の場合は世界観や設定が複雑なので、二章に分ける構成は理解できる。問題は二章に分けてもテーマがしっかりしているか。そして各章独立してストーリーとしても完結できるか。ここがポイントだと思います。
前作のテーマは「人類は善なのか悪なのか」の縦軸があり、「友情」の横軸がありました。それは第二章の本作でも変わりません。本作において「人類は善なのか悪なのか」については観る側が色々と解釈できる立て付けになっています。「友情」については、同世代だけでなく世代や民族を超えた友情があり、それが「人類は善なのか悪なのか」につながっています。
とても個性的なキャラクターが多いので、それぞれもう少し深掘りして欲しかった気はします。一方で主人公の小山門出（幾田りら）と中川凰蘭（あの）を中心とした設計なのも正解だったとも思います。前作では小山門出がメインでしたが、本作では中川凰蘭が中心のキャラクター造形だったと思います。
ストーリーに関しては前作が「発散」だとしたら、本作は「集約」になります。色々とバラバラあった話が一つの方向にまとまっていく。謎が解けていく。伏線が回収されていく。そういう意味では前作を観ていないと、本作の面白さは半減してしまうような気はします。まあ、前作を観ずに本作を観る人はかなり少ないでしょうけど。
最後が原作とは違うらしいので、原作も読んでみたくなりました。
