「こういうのでいいんだよ」系ラブコメ令和エディションという感じでよかった！かつて一世を風靡したものの、近年は「結局異性愛だけが対象なんじゃん」とか「擦られ過ぎててもう展開読めるわ」的な"やや冷笑される対象"になりつつあったラブコメというジャンル映画に対して「でもウチらやっぱりラブコメに育てられたし、結局ラブコメ大好きだし、好きだからこそちゃんと作らなきゃじゃん！？」という真摯なアップデートの姿勢が見れて感動してしまった。そうだよね……！最近のラブコメ、みんなちょっと「引き」の目線のが多かったけど、こういう直球バカエロ系ラブコメのことも好きでいたいよね……！！！
海辺の別荘とか、作ってもらう朝ごはんとか、恋の始まりとか、デカい犬とか、ナイトクルーズとか、ガーデンウェディングとかそういうものへの憧れ、バカにされたくないよね！？！？そういうラブコメ以外ではあまり享受できないロマンチック成分を、一生素敵なものとして大好きでいたいわけなんよ。そしてそれは価値観のアップデートとも両立できるんよ。この映画自体がラブコメへの愛じゃんねと思い、迂闊にもエンディング見ながらすこし泣きそうになってしまった（みんなで同じ曲歌うエンディング大好き）
男女が家族や元恋人にアピールするために恋人関係を偽るという展開自体はベタオブベタなんですが、これまでラブコメでは異質なものとして描かれがちだった同性婚を話の主軸にしてるのはもちろん、ビーがキャリアウーマンではなくてキャリアについて悩んでいる特技もない普通の20代だったり、ベンに高所恐怖症といった弱い部分がちゃんとあったりといった、各キャラの細やかな設定も良かった。あと人間関係に無駄なギスギスがなく、全員が「場の空気を悪くしたくないし、意地悪したくもされたくもない」という善意で行動してるのも今っぽかった。
バカエロ下ネタもありますが、デート友人と見に行くにはぴったりの作品だと思う。個人的にはオーストラリアのhi mate!が聞けて嬉しかった。マッチョがチェロ弾いてるのもギャップでアガりましたね。
