もしも『12人の怒れる男』のなかに真犯人がいたら。
過失とはいえ被害者を死なせてしまった男が、その事件の陪審員に選ばれるという運命のいたずら。自分が名乗り出なければ無実の被告が重罪に処せられてしまうかもしれない。陪審員として被告の嫌疑を晴らそうとすると、真犯人への注目が集まってしまうというジレンマ。罪の意識と自分や家族の未来を天秤にかけなければならないという辛さ。まさに絶妙な袋小路。
正義と冤罪、過ちと更生、誠実に生きるということ。神ならぬ御年94歳のイーストウッドに迫られる。「お前ならどうする?」と。
こんな傑作が配信スルーなのはどうかしてる。